■デバッグ時の変数チェック

プログラムが巨大になればなるほど、一発で完璧な動作をさせることは難しい。頭の中ではノーミスのつもりでも、どこかしら誤りを犯すのが人間だからだ。そういったミスをフォローするため、VBに限らずほとんどのコンパイラにはデバッグ機能が用意されている。

メニューバーに[デバッグ]と明示されているので、すでに使った経験があるかもしれない。プログラムを実行して期待どおりの動作をしなかった場合、ブレークポイントを設定してプログラムを中断し、実行プロセスを追いかけながらミスを発見するのだ。ロジック上のミスは、たいていはこの方法で調べがつくだろう。もちろん、変数の値もクイック・ウォッチで知ることができるので、非常に便利であることは強調するまでもない。

しかし、ループ中にブレークポイントを置いたりすると、不用意に中断をして煩わしいこともある。また、変数の値をリアルタイムで掌握したい場合、いちいちデバッグ機能を使うのが面倒と感じることもある。そんなときには、ためらわずにフォームのキャプションを利用してしまおう。例えば、CountというByte型の変数値をチェックしたいなら、次のようにすればよい。


 Form名.Caption = Str(Count)
この1行を怪しい場所に追加しておくのだ。これで、プログラムを実行させたままの状態で、Countの値を監視することができる。しかも、ターゲット地点を簡単に特定できるから、意外に実用的なのだ。こういったトラップは、いわゆる消し忘れをしないことが課題だが、キャプション内容がオリジナルと異なってしまうので、そうした不手際も防止してくれる。本体の[デバッグ]と、うまく使い分けて効率よくプログラミングを進めよう。