■プログラムを作成する場所

市販の書籍などで Visual Basic を勉強すると、いろいろなサンプルプログラムが掲載されている。当然のことだが、著者のケアレスミスによるバグを除けば、プログラムはすべて正常に動くようになっている。

しかし、プログラムは生き物であり絶対というものではない。つまり、そこには少なからずプログラムスタイルの違いがあるということ。これは拙著においても同じであり、実行結果に至るプロセスはアルゴリズムの一例にすぎない。

ところが、こういったサンプルプログラムに共通している、いやサンプルプログラムならではの好ましくない見本がある。それは、実行結果をフォーム上で確認するため、すべてのプログラムをフォームのコードエリアに書いてしまうことだ。もちろん、プログラム本体と実行結果を確認するという目的からすれば、これは誤りではないし何の問題もない。どちらかというと、プログラムがまとまってわかりやすいくらいだ。

問題なのは、こういったプログラミング・スタイルをプログラムの基本として覚えてしまうことである。というのは、フォームはプロジェクトの1ウィンドウであり、全体をコントロールするものではないからだ。これは、プロジェクトが複数のフォームを持てばすぐにわかることである。

結論を急ごう。要するに、プログラムは基本的に標準モジュール(.BAS)に作成すべきということ。そして、各フォームにおいてイベントが発生したときに、Sub または Function プロシージャとして利用するようにするのだ。こうすれば、標準モジュールにはメインプログラムとプロシージャが整然と並び、各フォームにはイベントプロシージャの主要部だけがスッキリと記述されるようになる。

実は、拙著のサンプルプログラムもここまでの気配りはしていないし、こういったことには触れていない。おそらく、大半の書籍も同様であろう。しかし、これは巨大なプログラムを組むための常識として、真っ先に覚えておきたいことなのである。