ある日突然、予告もなしに登場した新日本プログラミング(通称新日プロ)。燃える闘魂を旗印に、ゲ界に汚染されたマ界に夢とロマンを取り戻すべく、孤軍奮闘している弱小個人団体である。
「オッ、それなら知ってらい。遠い昔、雑誌の連載や単行本で見たことあるモン!」と言えるあなたはエライ。
「なんじゃ、このプロレスかぶれのオッサンは……?」という人が大多数を占めていることは、先刻承知の上である。
だから、まずはゲ界=ゲームの世界、マ界=マシン語の世界であることを覚えてもらえればいいのだ。これで、当面の目標は達成したも同然。ここから先は宝クジ。つまり、読めば得するし、読まなければ得しない。
そもそもパ界(パソコンの世界であることはもうわかるネ)においては、マシン語プログラミングこそが最大のゲームであった。自由度、難易度、満足感……。どれを取っても、できあいのゲームの比ではない。あまりに自由度が高すぎて、マニュアルすらも存在しなかったほど。だからこそ、それなりに楽しめるゲ界に汚染されてしまったのだ。
だが、賢いユーザーがいつまでもそんな限られた世界で満足できるわけがない。「これではイカン!」と次々とマ界を目指してやって来るようになった。現に、雑誌の質問コーナーにも「どうしたらマシン語ができるようになりますか?」とか「マシン語でサウンドをコントロールするにはどうしたらいいですか?」というハガキが後を断たないではないか。
とはいえ、こんな漠然とした質問に、誌上でピシャリと回答しろというほうが無理な話。マ界は、そんな狭い世界ではないのだ。では、どうするか。新日プロの入門書を読めばよいのである。もちろん、編集部がそれを知らぬわけがない。しかし、いくらなんでも「その件については、新日プロへ聞いてください」と書くことはできない。
いっぽう、当時(←1980年代前半:パソコンの黎明期)のパソコン誌はといえば、意外やマ界のことを一生懸命に解説する硬派な雑誌が多かったのである。もちろん、今さら当時のスタイルを再現できるほど甘くはない(←1989年秋:本企画の連載開始時はゲーム情報がパソコン誌のメインだった)。そこで、これから数回に渡って、ある男がどのようにしてマ界の勇者になったのか、マ界への侵入経路をソッと覗いてみようと思うのだ。
おっと、そんな名も知らぬ男の過去など何の役にも立たぬ……とご立腹のあなた。怒る気持ちはよくわかる。だが、心配御無用。数回後にはフェードアウトする予定のはかない企画。最初から、そう思って読んでもらえれば、あなたの怒りも治まるのではないか。なに、それでも許せぬ……!?
こんなこともあろうかと、実はマ界からプレゼントを用意してきたのだ……というのが、闘魂伝説の始まりである。もちろん、このプレゼント話は当時のこと。いつまでも続いているわけがない……のだが、このままではあまりに寂しい。そこで、ちょっとした新プレゼント(←中身はオールドファッション)を用意して、本欄に花を添えてきた。しかし、初回(1998.12.9)から締め切りの最終回掲載(1999.2.26)までに応募はゼロ通。
というわけで、すべては改めて過去形の話となってしまったのである。マ、その間に訪れた人数を考えれば無理からぬところ。これからは、プレゼントのことなど忘れて御意見箱からメールしてヨ。じゃネッ!