新型コロナというと、従来の平凡な日常を破壊した罪深きウイルスとしか思えないが、どんなものでも「存在意義を100%否定することはできない」ものである。
例えば、親のすべてが大嫌いと断罪してしまえば、自分自身の存在をも否定することにつながってしまうように、あらゆる事象は微妙に絡み合って存立している。最悪なのは、そういう多面性を認めずに強制的に一元化すること…なァ〜んて政治的な発言をするつもりはない。
要するに、新型コロナの出現によってもたらされたものも少なからずあったということ。一般的ではなかった在宅ワークが浸透したのもそうだし、それまでの普通の暮らしが実は多くの前提条件の下で成り立っていたと思い知らされたりもした。
とはいえ、新型コロナの流行が学生時代と偶然にも重なってしまった世代にとっては、取り戻すことのできない無念さがあったに違いない。だって、生活の基盤を考えずに青春を謳歌できるのは、長い人生において本当にこの一瞬だけだからだ。
単に学生になるだけなら年老いてからでも不可能ではないが、元気あふれる成長期に同世代の仲間と過ごす学園生活なんて、無限に生きたとしても二度とはやって来ない…。
ということで、そんな不遇な時代に巡り合ってしまった学生たちを励ますために、いわゆる応援歌とは一味違う名曲『そして紺碧の空へ』が作られていた。
これまた早稲田に無縁の方には「ア、そう…」と聞き流されても止むを得ないが、背景を問わず大切なのは時代の波に負けないという心意気。そんな想いが、学生ではない自分にまで伝わってくるところがどうにもスバラシイ!
こちらはプロモーション用のミュージックビデオだが、同様にリリックビデオ(歌詞を主体に紹介するミュージックビデオ…だそうだ)も用意されている。
いずれを聴いても、なぜか50年以上前にタイムスリップしたような気分になる。もちろん、当時のライフスタイルとは比較にならないほど異なるが、未来を夢見て「もがく姿勢」に変わりはない。しみじみと「いいなァ…!」と思う。そこには、励まされている自分がいた…。
ちなみに、紺碧とはどのような色かというと、本ページのトップにある黒澤画伯の描いた『空飛ぶスーパー総帥』の背景色がそれだ
かくいう私も、実は具体的なカラーを意識したことはゼロ。漠然と「濃い空色」をイメージしていただけだが、RGBコードでは「#007BBB」となっている。あるいは「#005B98」とする規格も見かけるので、完全に統一されたものではないようだ。いずれにせよ、真夏の強い日差しが作り出す力強い青空のことである。