過去にも、拙著オリジナルからの移植本は数々あったが、これは驚きの異色本である。といっても、企画そのものを知らなかったわけではなく、忘れたころに完成したことに対してビックリしたのだ。編集作業があまりに長期に渡ったため、実はとっくの昔にボツになったと思い込んでいた……というわけ。
その本のタイトルは、なんと『解開角色扮演遊戯之謎』という漢字だらけの難読難解なもの。それもそのはず、これは台湾で出版された中国語の本なのである。日本語名は、知る人ぞ知る『メイキング オブ コンピュータRPG』だが、本家よりも魅力的な仕上がりになっているところがニクイ。思わず、ページをめくってしまったが、やっぱり内容のほうはチンプンカンプンであった。
価格は、250元となっている。いったい高いのか安いのか、台湾に行ったことがないのでまるで見当がつかない。困ったときのインターネット……というわけで、さっそく調べてみると、1台湾元=3.59円と紹介されていた。つまり、900円程度ということ。ウム、これは安い。もしも台湾に行く機会がある方は、ぜひおみやげに一冊どうぞ……といいたいところだが、本当に書店に並ぶのかなァ……?
日本語版が出たのが約4年前(1995年2月)。流れの速いコンピュータ業界で、この時間差はとてつもなく大きい。そう考えると、ちょっぴり首をかしげたくなるスローな展開なのだが、こうして異国の地で復活したことを素直に評価したい。
だって、過去にも韓国で『はじめてのマシン語』や『8086秘伝の書』の翻訳版が出版される予定になっていたにもかかわらず、最終的に姿になったものが手元に届いたことは一度もなかったのだ。それだけに、このアンビリーバボーな新刊書籍の未来に「幸多かれ!」と祈らずにはいられない……のである。
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