■ゲーム業界を目指す若者は多くなってるゾ!

とある方から、次のような内容のメールが届いた。


秋葉原で行商修業をしているのには驚きました。僕も4年前、自作のシューティングを秋葉原で路上販売した経験がありますが、やはり同人ショップでの販売をお勧めします。僕の場合、同人ショップで3本のソフトを発売し、それがキッカケで「親のスネかじり」から完全脱出しました。現在は、友人と一緒にPlayStation用のソフトを開発中です。

このホームページには「ゲーム制作裏舞台の醍醐味を味わう機会がここ最近少なくなっている!」という趣旨の一文が要所要所に見受けられますが、僕は断固叫びたいです。「むしろその逆です! ここ2〜3年、ゲーム作りを目指す学生が急増していて、好奇心旺盛なアマチュアプログラマーがたくさん出始めてきている!」と。

ともあれ、プログラミングを日夜楽しんでいる人口が、ここ数年激増していることは確かです。ぜひネットを探し回ってみてください。そこには、本物の黄金郷がありますよ!


ちょ、ちょっと待ってヨ……。秋葉原で路上販売をしたのは、行商修業のためなんかじゃないゾ。あくまでも、モノを売るという原点の商行為をしただけ。自分で作ったモノを自分で売るって、修業どころか最高のビジネスじゃないか。それに、こういう自由があるってこと自体がスバラシイと思うのだ。

なぜ、寅さんが人気があったのか。そこには、会社型人間が奪われてしまった人間本来の自由な行動力と、世間体という妙なプライドを気にしない人生観に対する憧れがある。憧れを憧れのままにしておくか、平然と実践してしまうか、その違いは歴然としているけど本質は同じもの。だから、路上販売をステップにして会社型人間へ……というようなストーリーには興味がない。

だいたい、ソフトハウスからソフトウェアを出すというプロセスは、すでに遠い過去に味わったこと。すなわち、その先の段階でどうするかを暗中模索しているのだ。家庭用ゲーム機のソフト開発をしていることで、ある程度の黄金郷を感じているのかもしれないが、しょせんは巨大資本の下で巨大資本のために動いているわけでしょ。それは、新日プロの描く夢やロマンとは少し違うんだ……。

それから、好奇心旺盛なアマチュアプログラマーが激増したかどうかについてだが、増えているのはゲーム業界を虎視耽々と狙っている層だと思う。ゲーム制作を趣味として楽しむ人に関しては、やはり減っているような気がする。出版社による客観的な調査でも、このあたりの見解は同じ結果になっているようだ。

さりとて、どんな異論があっても一向に構わないし、こちらからこうだと断固叫ぼうという気もない。ただ、意図的に「ゲーム制作裏舞台の醍醐味を味わう機会がここ最近少なくなっている!」などと書いたつもりはないんだけどなァ。とりあえず、こうして公に回答したことで、後は読む人の判断に任せたい。