■ゲーム制作で最初にするプログラミングは何?

ゲームの内容やシステムによっても異なるが、どんな場合でもオープニングから順にプログラミングするということはない。そんなことをすれば、肝心のゲーム本体に入る前に力尽きてしまうこと請け合いだ。

これはゲーム制作の初心者が最も犯しやすいプロセスであり、実際に頓挫したゲームには意外にもオープニング付きが少なくない。しかし、オープニングやエンディングといった部分は、ゲーム自体が完成しなければ何の意味もないことは明白。確かに、途中経過を第三者に見せるには効果的だが、本当はそれを効果的と思うような第三者に見せることこそが問題なのである。

例えば『おたすけ忍風伝』の場合、最初に手がけたのは迷路を作成するロジックである。もちろん、それ以前にキャラクタ表示やスクロールに関する動作は確認済み。さらには、サウンド再生やデータのセーブ/ロードといった基本部分を把握しておかないと、プログラミングがスムーズに進行しない。

そういう意味では、迷路作成のロジックも試行錯誤を繰り返した実験の集大成といえないこともない。つまり、最初のうちはいろいろなパーツを、テストを重ねながらストックしていくのである。おそらく、こういったパーツや関連ツールの価値は、ゲームを作ったことのない第三者にはわからないだろう。しかし、最終的にどちらが早くて確実かは、ここまで読めば火を見るよりも明らかだ……ネ。

こういった下準備をゲーム制作といわないならば、実際の第一歩はデータとしての迷路をグラフィックで立体化する部分だ。そこから先は、キャラクタを歩かせて……と、ゲーム本体の完成へ向けてパーツを組み合わせていけばよいのである。