増え続けるメンテナンスの中には、気まぐれによる仕様変更が原因のものも少なくない。そもそもが計画性のない思いつきや、行き当たりばったりの現場調整工法なのだから、完璧な仕上がりなど望むべくもないのだ。完成というより「とりあえず完了」させただけ…。
とはいえ、その気楽さゆえにストレスなく作業を継続できると思えば、あまり気にすることでもない。縛りのない「ゆる仕事」だからこそ、素人DIYとして楽しいのだ。
そんなユルい感覚で、使いまわしの廃石で玄関へ続く飛び石を造成したのだが、最近になって廃石を別の場所で使いたくなった。思い立ったら行動は早い…けど、撤去後のことは考えていない。もちろん、歩きにくいということはわかるけど、いかんせん補修作業にまで手が回らないのだ。

マァ、気をつけて凹みに足を入れないようにすればよい…ということで、いつしか数年の月日が経過してしまった。見栄えは悪いが、未だに放置したまま。
話は変わって、現在は何かと物騒な世の中となってしまい、昔では考えられないような詐欺や悪質な事件が多い。その対策として、車にはドラレコ、家では防犯カメラが当たり前となった。
そんなことから、家の周囲には数台の防犯カメラを設置して、万が一の異常事態に備えているのだが、実はこれにも日々のメンテナンスが必須となっている。
それは…クモの糸の除去。いくら殺虫剤を撒いても、どこからともなくクモがやって来て糸を垂らしてユラユラさせる。昼間はともかく、夜になると赤外線に反応して録画されてしまい、見ていて不快この上ない。
夕方にカメラ周辺を掃除したにも拘らず、夜間にホウキを持って「いざ出陣!」ということが日常茶飯事なのだ。
つい先日も、Tシャツに短パン、左手にホウキ、右手に殺虫剤というお決まりの格好で、クモの巣退治に出かけた。
見えないクモの糸の周りで適当にホウキを振り回し、アッサリと作業は完了!
そのまま、何も考えずにボンヤリと帰還しようとした…その時だ。サンダルの先が例の凹みにはまって、左足が踏み出せないまま上半身が前のめりに…。
ウワ〜ッ!
歳を取るとよく転ぶ…というが、ここで手をつけば砕石かコンクリの角で間違いなくケガをする。下手をすると手首の骨折だ。左足は、サンダルのカバーが邪魔をして出ない。どうしよう…?
ならば身体全体で衝撃を受け止めるしかない。さらに、その衝撃を減らすためにクッション代わりにホウキを下に置け…というのが、脳から出された咄嗟の緊急指令だった。了解…なんて返答する間もなく、耳に響いた屈辱の衝撃音。ドッス〜ン!
身体が微妙にバウンドした。もちろん、それなりに痛かったけど、幸いにも足の指を少し擦りむいただけだった。それ以上に、不用意に転んだことが恥ずかしくて…アァ情けない。
そんな不格好な光景の一部始終を、冷静沈着に捉えていたのが別の場所に設置した防犯カメラ。まさか、自分自身が最初にチェックされる人物になるとは…不覚にも想定外のことであった。
これって老化現象、それとも不可抗力の過失事故? どうでもいいけど結論はまだ出ていない。そんなことより、早く凹みの補修をせいッ…ということでしょうネ。。。