■ ご挨拶:第88回(2021年7月13日)■

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 本日のご来場、まことにありがとうございます。いつの時代も、われわれ凡人に未来への明るい夢と活力を与えてくれるのがスーパースターやヒーローの存在です。これが実在の人物となると、映画や漫画・アニメなどと違って未確定の不安要素が大きいこともあって、ついつい応援せずにはいられなくなってしまいます。
 このところの大谷翔平選手の活躍は、不愉快なことや気が滅入ることを忘れさせてくれる原動力となっている気がします。ウソや開き直りだらけの政治家。一向に収まる気配のない新型コロナ。そんな暗い世相に、毎日のように聞こえてくる痛快なホームランのニュース。これだけで「今日も一日頑張ろう!」と元気が出ます。元気が出ると…楽しくなりますネッ!

 季節は、もうすぐ夏の盛り。春から夏にかけて、あらゆる樹木や雑草が一気に成長します。何もせずに放置すれば、アッという間に耕した畑も整備した通路も雑草に覆われてしまうのです。
 そんな自然界の掟で、草刈りと枝払いは日課のように継続していかなければならない優先ワークとなっていますが、これがどれだけ大変なことか…実は知らなかったのでした。何事も「体験してこそ知る事実」ということです。

 2003年の夏…。老齢の叔母が管理する雑草ジャングルとなった田舎の敷地を見て、軽い気持ちでピカピカにして進ぜようと思ったのです。頭の中にあるのは、コツコツやっていけばいつかは終わるという単純な図式。すなわち「終わりがあればこそのお手伝い」気分でした。
 灼熱の太陽の下、手鎌と電動草刈り機を併用しながらの野良仕事は続きます。流れ落ちる汗で衣服はビショビショ…。それでも、振り返ればそこにはきれいになった地面が広がっていくのです。その瞬間は、まるで開拓者になったような未体験の爽快感でした。

 老婆の住む荒れ放題の土地が、見知らぬ若者(←ウソ)によって日に日にきれいになるので、通りすがりのご老人から「只者ではない!」と声をかけられたりもしました。
「いや、拙者決して怪しいものではござらぬ!」
…などと時代錯誤の会話をしながら、とにもかくにも冬が来る前には500坪ほどの雑草ジャングルを地面の見える姿に変貌させたのです。終わったァ〜!!

 実は、草を刈っている途中から薄々気づいていたことがあります。最初に手掛けたエリアには、新たな雑草の芽が一面に出ていたのです。
 そして、寒かった冬が終わり…春が来て、耕したようにきれいだった地面全体に緑の若葉が一斉に姿を現しました。半分は色鮮やかな菜の花畑になり、それが背丈ほどに伸びるころには、名も知らぬ雑草に覆われて…とうとういつか見た光景が見事に復活したのでした。

 以来、少しずつスコップで本格畑に開墾しながら、雑草と闘う日々が延々と続いています。その見返りは、新鮮な野菜とおいしい果実、そしてトレーニング効果による筋力アップ…となれば、面白過ぎて死ぬまで止められません…ネ。


〜〜〜〜 ちょっと一言ご挨拶(2021.11.17)〜〜〜〜

 今年の夏は猛暑というほどのこともなく、なぜか尻切れトンボのように呆気なく終わってしまった感がある。真夏の雑草と格闘する身としては、それはそれでうれしいことなんだけど、なぜかちょっぴり物足りない。要するに、人間は自然に対して身勝手なのかなァ?

 それでも、それなりに暑さに反応していたものがあった。それは、足かけ18年に渡って動き続けてくれた愛車エスティマちゃん。自宅へ戻る途中に、意味不明の赤い警告灯が点灯し始めたのだ。
 運転中に分厚いマニュアルで確認するわけにもいかず、恐る恐るそのまま走り続けたところ、自宅まで残り数キロというところで、突然エアコンがストップし、ピー音が激しく鳴り続ける異常事態に…。どうしよう…と思っても、どうしようもない。
 こうなると、気分はもはやケセラセラ。やけのやんぱち日焼けのなすび…だ〜い。このまま走行不能に陥るか、それとも自宅へ無事にたどり着けるか、暑さの中でハラハラ・ドキドキ…。

 どうにかこうにか自宅へ帰還〜即トヨタへ直行となったところで、警告灯の原因は「ハイブリッドシステムの冷却ポンプの故障」と判明したのだが、それって何?
 疑問はさておき、アチコチにガタが来ていることは運転中にも五感を通じて伝わっていたし、この先にもいろいろな不具合が起きることは想像に難くない。そんな迷える子羊状態のところへ、偶然とは思えない絶妙のタイミングで顔見知りの営業担当さんが…。

 ★★★ 最終走行距離 ★★★

 走行距離はすでに31万キロを超えていたし、元は十分以上に取っている。
 常々チェックしていた希望車種の値引き額も、相場の上限に近いところまで出され、さらに今回の修理代相当分も上乗せ値引きをするという。ウ〜ム…どうしよう。

 自分の中では、車はこんな衝動的な買い方をするものではないという哲学があるのだが、次なる故障を気にしてヒヤヒヤしながら運転するのも精神衛生上よろしくない。どうするべきか?

エ〜イ、迷わず行けよダ〜ッ!

 ということで、最後はナンバーに好みの番号を選ぶだけ(←最近は選ばないほうが少数派らしい)。もちろん、これには何のためらいもなく【8801】を指定する。

 この決断ができたのは、実はゲーム保存協会の理事長であるルドン・ジョゼフさんの影響だ。
 前車購入時も、内心では【8801】にしたいという願望はあったのだが、いかんせん一般的には無意味な数字の羅列。さらに時間の経過した現在では、その存在感はゼロに等しい。

 ところが、PC-8801を現役パソコンとしては活用していない世代であるはずのジョゼフさんが、どういうわけかこの【8801】という数字をこよなく好んでいるのだ。
 その事実を知ってしまった以上、PC-8801で生計を支えてもらった私が、ここで【8801】を無視することなど到底あり得ない。

 そんな経緯があってのナンバー【8801】だったが、その思いに合わせるように納車日もハチハチにふさわしい8月8日。これはもはや天の神様のお導きと言っても過言ではないだろう。

 …と、郷愁に浸りながらジョゼフさんとカーナンバー『8801倶楽部』なるものを結成して、いつの日かの2台でのツーショットを楽しみにしているのだが、時おり聞こえてくるのがご多分に漏れず「8801って何?」という素朴な疑問。
 これをここで懇切丁寧に説明したらキリがないので、とりあえず1980年代にゲーム中心のパソコンとして一世を風靡した8ビットマシン(PC-8801)としておこう。個人的には、いつかは新車を…と貯めた夢の貯金が、すべてこの初代のPC-8801セットにつぎ込まれたのである。

 中央にあるのが当時の定価=228,000円の初代PC-8801。右側の5インチFDドライブが158,000円。さらにはカセット・レコーダー+漢字ROM、すでに処分してしまったけどディスプレイ(168,000円)+ドットインパクトの文字プリンター…と、未知なる機器に全財産を叩いのだ。とはいえ、いざスイッチオンで画面に出るのはプログラミング準備「OK」の合図のみ。
 そう…これだけでは何にもできないのだ。自力でプログラムを組むか、目的に応じたソフトウェアを購入してその限られた世界を堪能するというのがパソコンというものだったのである。

 それでも、購入から10ヶ月後には『ホーンテッド・ケイブ』を完成させ、さまざまな経緯があって2作目の『マジック・ガーデン』、さらには『マシン語ゲームプログラミング』と、プログラミングから執筆活動まで、このマシンのお世話になったのであった。
 新車の束の間の喜びより、人生を変えるほどの価値を生み出してくれたのが、この初代PC-8801だったことを思えば、こうしてナンバープレートで復活するのは、巡り巡って運命のような気がする。それを結果として後押しすることになったジョゼフさんとの出会いも、これまた不思議な縁を感じるネ。

 ちなみに、この画像はつい最近のもの。もちろん、電源を入れれば昔のように立ち上がり、ビジネス的には売れなかった拙作品で遊ぶこともできる。機能的には、まだまだ現役なのだ。
 いつの日か、ヒマになったら孫とノンビリ遊んでみたいなァ…なんて空想はするものの、現実はままならない。だって、毎日やりたいことが増えるばかりで、年中無休で多忙なんだもん…。