〜〜〜〜 ちょっと一言ご挨拶(2019.9.26)〜〜〜〜
転禍というと、何もしないで「なるようになった」とか「気の持ちよう」と解釈されそうだが、その背景には積極的な行動と闘う姿勢がある。たとえ暗中模索であっても、全力でもがいた結末には納得できる愛着があるのだ。福とは、本来そんなものだと思う。
もしかすると、そのプロセスそのものが福なのかもしれない。どんなキッカケであれ、どこかへ向かおうとするエネルギーには輝きがあるからネ。ならば、そもそも禍なんて存在していないのでは…???
大学を卒業してから6年と数ヶ月勤務したラサ商事株式会社。入社当時は、社歴こそ長いが非上場の中堅商社だった。穏やかで自由気ままな社風は、振り返れば最高に居心地のよい環境…なのに、世間知らずの若者が在職中にそこに気づくことはなかった。社会人としての経験値が不足していたのだ。
このまま地道に無難に働いていれば、そこそこの出世をして安定した人生を送れたのに…なんて思うはずもない。いつだって、気分は「三日月よ、我に七難八苦を与えたまえ」の山中鹿之助なのだ。常識として「石の上にも三年」の自覚はあっても、3年毎に辞表(一度目はやさしく慰留)では、会社だって「これ以上は仕方あるまい」とサジを投げる…。
…で、辞めて自宅でのんびりといっても、それでは生活が成り立たない。世間体も悪いし、満員の通勤電車が無性に恋しい。ということで、貿易営業の職種で登録していた人材バンク(リクルート)の資料に目を通していたところ、こんな企業を発見!
社名などの詳細は伏せてあったが、所在地が神楽坂(新宿区)ということが妙に気になった。まだ本社と工場は別…という知識も情報もなく、勝手に小さな町工場をイメージしていたのだ。そんなこんなでウジウジしていたところ、家族から「行けばわかるヨ!」と猪木さんの名言さながらに背を押され、迷わず電車に乗ってリクルートへ向かったのであった。
そこで初めて知ったカーメイトという存在。参考資料として会社案内を見せてもらったのだが、身体中に電気が走ったような衝撃を覚えた!
自動車部にいたくらいだから、カー用品やカーアクセサリーに興味があるのは当然だ。でも、そういったものは脇役としての存在。人生の主役は…いつだって身体トレーニングなのだ。
ということで、どうしても「入社したいッ!」と思い込んでしまったのは、会社案内にあったモノクロの社内風景の写真…の中のこの1枚。オオッ、大好きな運動会があるッ!!!
リクルートのお姉さんの「あなたの経歴は輸入なので輸出業務希望のカーメイトは紹介できません」という冷酷な対応など何のその。会社案内から住所と電話番号を控えて、国内営業でも何でもいいから…と直談判したのであった。ただひたすら、運動会に参加したいがために…。
転禍ということであれば、輸出担当者は直前に間貿企業(いわゆる商社)からヘッドハンティングをしていたため、さすがに同時に二人は無理…ということで国内の新規販売ルート開拓となったのだが、この流れがなければプログラミングとは無縁の人生だった。
こうなると、見かけの禍が福を呼び込んだのか、渡る世間は福ばかりなのか、結果を問わない正解は「迷わず行けよ!」の精神に尽きるだろう。
ちなみに、最大の魅力だった社内運動会は、あれが最初で最後だったとのこと。在職中はもちろん、その後も二度と開催されることはなかった…らしい。