■ ご挨拶:第79回(2018年4月30日)■

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 本日のご来場、まことにありがとうございます。度々…というわけではありませんが、お酒を飲めないことに対して「人生の半分を損している」と言われることがあります。そんなときには、言われ慣れたせいもあり「その言葉をそっくりそのままお返しします」と返答することにしています。たいていは、一瞬きょとんとした表情をしつつもアッサリと引き下がってくれます。
 当然のことですが、この≪飲めない≫〜≪飲まない≫に至る過程において、飲んだことがないわけではありません。ただ「酔う」という状態が気持ちが悪いことでしかなく、またお酒自体の味も「まずい」としか感じないのです。しかも、献血結果における各種数値が徐々に悪くなるとなれば、もはや「百薬の長」どころか「百害あって一利なし」と身体が語っているようなものでしょう。
 ただし、冒頭の返答は単なる言葉遊びではありません。お酒の好き嫌いは別にして、お酒を飲んだ後の数時間は「脳内思考としては使い物にならない」というのが通説です。たとえお酒の力で気持ちよく過ごしていたとしても、その時間帯にプログラミングや執筆といった繊細な作業に集中するのは無理…ということの裏返しです。
 サラリーマン時代の遅い帰宅〜食事後に「一杯やって」となっていたら、アセンブリ言語を理解しようとする前に寝てしまったでしょう。おそらくはコンピュータとも疎遠な人生だったに違いありません。お酒を飲めないことで人生を二倍楽しめた…と思える所以です。
 もっとも「プログラミングは仕事であって楽しみではない!」というのであれば、働いてばかりということになります…が、クリエイティブな作業を自分の思う方向へ好き勝手に進めるのは、時間を忘れるほど楽しいもの。そこには、今につながる轍(わだち)が確実にあるからです…。

 お酒の損得はともあれ、現在ではプログラミングも執筆活動も中断しており、後ろを振り返っても同じ轍があるわけではありません。そもそも生涯現役○○という確たるポリシーがないので、面白いと感じたことや「やりたいこと」があるとフラフラと方向を変えてしまいます。
 とりあえずトレーニングだけは一貫して継続していますが、現時点でのライフワークは畑仕事や大工仕事。たぶん死ぬまで終わりの見通しが立たないでしょう。なのに、このところ電子工作が少しからんだ創作活動にハマりつつあります。
 当初は玄関に置く飾り物に、雰囲気アップをしようと目論んでいた程度でしたが、いつの間にやらストーリーを感じるジオラマ風の工作物になってしまったのがキッカケでした。全体の半分が完成したところで、今度はトイレに付属のサウンドを小鳥の鳴き声に変更した際に、イメージとして浮かんだ光景が創作の対象となったのです。
 その結果、トイレの中はジャングル風の葉っぱに小鳥がいっぱい。さらには、クリスマスでもないのにイルミネーションがピカピカと輝き、蝶がパタパタと羽ばたく異様な世界となってしまったのでした…。
 最近では、このようなお遊び空間をアトラクションと呼んでいます。実は、トイレ内もまだ手を加えたいのですが、次から次へと新アトラクションのアイデアが浮かんでくるので、とっても毎日が忙しいのです。でも、それ以上に創作活動が面白くて楽しくて…止められません!


〜〜〜〜 ちょっと一言ご挨拶(2018.8.27)〜〜〜〜

 トイレの手洗い器というと、一般家庭ではタンクに水を貯める手洗い管、もしくは指先しか洗えないような小さなものがスタンダードだが、水自体はキッチンと同じ上水道が流れている。では、そこにコップがあれば飲むかというと…おそらくは躊躇してしまうだろう。
 いくら水がきれいでも、全体的に見れば水洗トイレの付属物。これではせっかく壁中に上水道を配管したのにもったいない。要はイメージの問題なのだ。トイレを個室の主役ではなく脇役にすれば、きれいな水はきれいなまま…ということで、リフォームする際にはトイレ内にも本格的な洗面化粧台を備えることにした。
 これでトイレは洗面化粧室の付属物となり、個室全体の清潔感が大幅にアップする。さらにアトラクション化して楽しい空間にするとどうなるか…もはやトイレであることすら忘れてしまう。当然、入口ドアからしてトイレをイメージさせない工夫をする…。

 ミッキーの扉を開けると、トトロとアリスのうさぎさんがお出迎え。トトロには手作りの大きな葉っぱと小箱を持たせ、市販商品との差別化を図る。もちろん、こんなコラボができるのは著作権のしがらみのない個人の家だからこその自由だ。
 もっとも、最初からこんなにぎやかしいトイレ構想があったわけではない。壁紙こそディズニー仕様にしていたけど、当初はトイレットペーパーホルダーの上部を少し遊んだだけだったのだ。

 そして…しばらくはトイレ本体内蔵のクラシック曲を流していたんだけど、飽きてきたので変更しようと選曲中に「ホーホケキョ〜ピィピィピィ〜ピ・ピ・ピ…」と小鳥のさえずりが…。これまでにも聴いていたはずなのに、突然ひらめいてしまった光景がこれ。

 ジャングルに小鳥のイメージ。これにディズニー仲間が加わり、さらにはドラクエワールドまで…。人感センサーによって三匹の蝶々(←見つけられたかな?)がパタパタと羽ばたき、壁をくり抜いた左手の洞窟内には、金貨であふれたカリブの海賊風の宝箱。右手の洞窟にも輝くツリーが組み込まれている。
 実は、木造家屋の壁には間柱(まばしら)という構造体があるから、壁をくり抜くという作業はとても勇気がいることなのだ。もちろん、建築中にはたくさんの写真を撮って、いつかしたくなるであろう改造作業への準備も万端。天井の壁紙だって、その「いつか」に備えていたものだ。
 …で、ジッとしていると第一段階の人感センサーライトが消える。残るのは天井を照らすブラックライトとピカピカするイルミネーション。

 さらにジッとしていると、第二段階の人感センサーによりブラックライトとイルミも消える。ここで闇夜に浮かぶのが、蛍光塗料を使った星空の壁紙だ。第一段階のほうはトイレ前に設置したスイッチでも消えるようにしたが、こちらのスイッチは手が届かないので座って動かなかった人だけのお楽しみ…。

 トイレが洗面化粧室の脇役になったどころか、洗面台すらアトラクション部屋の脇役。いったいここは何だろか…ということで、トイレをアトラクションと称する理由、しかとわかってもらえたでしょうか?
 エ、何でこんな手間のかかることをするのかって? それは、ゲーム制作者の心境と同じ。単にプレイヤーが…いやゲストが喜ぶからです…ヨ!