■ ご挨拶:第76回(2017年5月16日)■

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 本日のご来場、まことにありがとうございます。ゲーム制作に携わっていた者として、ドラゴンクエストに関するアトラクションが期間限定で開催…となれば、とりあえずは行って内容を確認しなければならないでしょう…エッ?
 同行者が要らぬ疑問を感じる前に…と、この4月に新幹線で大阪はUSJへと行ってきました。エクスプレス・パスも購入して準備は万端。期待に胸を膨らませ、ワクワクしながら以前から興味があったハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニーへと向かいます…アレッ?
 もちろん、これはエクスプレス・パスによる時間指定のためですが、眼前に迫る3D画面に合わせた動きは、魔法の世界観たっぷりでとってもよかったです。その仕組みが知りたくて3度もトライしたのですが、解析どころか揺られ揺られて魔法酔いで…フラフラ。
 で、肝心のドラゴンクエスト・ザ・リアルですが、騒々しい中でワケがわからないまま剣の束部分だけを渡され、戦闘エリア(小部屋)へ移動してそれを振るという体験でした。束を振るタイミングに職業別のコツがあるらしいのですが、まったく要領を得ない低レベルでもザコ敵は倒せます(←次のパーティーが控えてるから)。そして、早くもドラゴンとの決戦へ…オイオイ?
 曲がりなりにもパーク・アトラクションとして存在しているわけですから、苦戦はしてもそれなりに勝利を体感させてくれるのだろう…という淡い期待に反し、最後はドラゴンに倒され「死んでしまうとは何事だ!」でオシマイです。アララ…生き返らないの???
 出口のお姉さんによれば、上級職を選んで4人で力を合わせれば勝てることもあるとか。そ、そんな殺生な…。こちらは情報ゼロの戦士と、スライムしか知らない付き添いの魔法使い。残る二人は列に並んだ順が決めた見知らぬ方々。二度目のないゲスト・パーティーに、そこまでシビアな戦闘を求めてどうするの?…というのが正直な感想です。リアリティよりエンターテインメント性を優先するのが「アミューズメント・パークのおもてなし」では?…と不満タラタラ。。。
 こうして、ドラクエは消化不良に終わってしまいましたが、念願だった「新幹線でお弁当」という楽しみはおいしく味わうことができました。ここ数十年、国内旅行といえばマイカーでの運転担当が定番でしたから、景色をノンビリ眺めながらのお弁当は憧れだったのです。

 憧れの景色…で思い出すのは、子供のころ見た昆虫図鑑に描かれていた日本の国蝶であるオオムラサキが乱舞する挿絵です。蝶を収集していたにもかかわらず、実はオオムラサキが飛翔する姿を見たことがないのです。ましてや、それが乱舞するなど夢のような光景といえます。
 そこで、いつも野菜を収穫している畑の一角に、オオムラサキの食樹であるエノキの苗木を植えることにしました。食樹といっても、蝶はクルクルっとしたストローで水分を吸うだけですから、葉を食べるのは幼虫です。幼虫の入手はある程度調べてあるので、数年後にエノキが立派になれば…と夢は大きく膨らんでいます。
 ちなみに、エノキにはゴマダラチョウという幼虫がそっくりな仲間も集まります。こちらは羽模様が白黒(←オオムラサキは神秘的な紫の輝き)で、幼虫時の違いは背中の突起が4対のオオムラサキに対し3対しかありません。
 ならば、ゴマダラチョウの幼虫の背中にナイフで切れ目を1対足せばオオムラサキになるかも…と無知な中学生は真剣に考えていたのです(←純粋なアホだと思います)。さすがに可哀そうなのでやめましたが、そんな無謀な時代への反省としてオオムラサキとゴマダラのために大きなエノキを育てようとしているわけです。果たして、かつての昆虫少年の夢は叶うのでしょうか…?


〜〜〜〜 ちょっと一言ご挨拶(2017.9.8)〜〜〜〜

 すでに本文中で過去の思い出となっているUSJに関しては、これ以上追記するネタも感想もないけれど、エノキにはオオムラサキという勇壮な(?)未来への夢が残されている。人生が「夢に向かうプロセスを楽しむこと」だとするならば、エノキの苗木を植える作業は記念すべきプロローグ。相応の努力をしてこそ夢への一歩にふさわしい。
 マ、たいていはこの段階で「バッカじゃないの?」と冷たい視線を浴びるんだけど、まずは直径2m以上の大きな穴を掘る。土をフカフカにしておかないと、か弱い根っこが自由に伸びられないからネ。
 邪魔な小石や雑草の根も取り除き、肥料を入れて待つこと1週間…。通販で買った高さ50cmほどの苗木を大切に植えたのであった。もちろん最初はこまめに水をやらなければならないし、風で倒れないように注意もしなければならない。その結果…

 葉っぱもかなり大きく育ち、幹も太くなってきている。この調子なら、来年には幼虫を連れて来ても大丈夫なのでは…と思わす口元がほころびそうになるけど、ここは「トランキーロ(あっせんなヨ!)」と自重すべきかな?

 こんなエノキの小さな成長を見て思い出したのが、この道はいつか来た道…。実は過去にも似たような心境になったことがあったのだ。遡ること10年前…すでに現実の姿となった過去の夢が≪大きな栗の木の下での栗拾い≫だった。そして…

 自作の看板やおまけのベンチ(背もたれのミッキーマークのみ手作り加工)は、すべて10年前に夢に描いた幻想風景…。このプロセスは「完成時の動作結果をイメージしてコツコツと組み上げるマシン語プログラミング」の心境と何ら変わることがない。
 きっと自分の人生観にフィットしているんだろうネ。気が長いのか、のんびり屋なのか、のん気なのか、それとも時間の感覚を意識する能力が欠如しているのか、詳しい背景はわからないけど「失敗を想定しない」のは根っからの楽天家なのかもしれない。エ、単にアホなだけだって?…それを言っちゃァおしまいヨ。。。