あの夏以来、スズメバチの巣を見かけたことはなかったのだが、今年の夏「やけに大きなハチがブンブンしているなァ」と感じたことがあった。とはいえ、どこにあるやも知れないハチの巣を捜し回るほどヒマではない。いずれシーズンが終わればいなくなるだろう…。
そんな甘い考えでいたところ、何の因果か偶然か、8(ハチ)月8(ハチ)日の午後3時(お八つの時間)ころのことだった。ちょうどお昼寝タイムが終わって、午後の作業に取り掛かろうと勝手口から外へ出て、何とはなしに空を見上げたその先に…それはあった。
いつから製作を開始したのかは不明だが、すでに直径30cmほどになっているスズメバチの巣。このまま放置しておけば、ますます巨大化していくに違いない。見れば、無数の働きバチが行ったり来たりして、一生懸命に巣作りをしている真っ最中。ウヒャァ〜!

発見してしまった以上、このまま放置しておくわけにはいかない。午後の作業内容を、急遽ハチの巣退治に変更する。テレビなどでは「素人は手を出さずに専門業者を呼ぶ方が安全」とアナウンスするが、二度目ともなれば多少の経験値はあるのデス。ということで、何のためらいもなく防虫ネットをかぶった普段の作業スタイルで処理にかかった。
今回は、スズメバチ専用の高価な殺虫スプレーは用意しない。通常の殺虫スプレーでも、相応の効果があることを前回の処理で知ったからだ。巣に向けてシューッとかければ、専用品でなくてもあわてて逃げるか落下するかのどちらかだ。まれに向かって来るのもいるけど、臨機応変…矛先をハチに向ければ一目散で逃げてゆく。
こうして、元気なハチを追い払ったところで、長い棒でつついて巣を壊す。もちろん、お家の一大事なので逃げたハチが次々と舞い戻って来るけど、守りたいのは建設中の新居のほう。棒を持つ元凶までは、ハチの頭脳レベルでは混乱して気が回らない…たぶん。
それに、ハチに限らず昆虫の目は数メートル先はボンヤリとしか見えていない…という説もある。本当のところは虫の視力検査をしないとわからないけど、視力よりも触覚・聴覚・嗅覚のほうが能力的には高そう…な気がする(←よう知らんけど)。
それでも、こちらも用心しながらの遠隔操作。長い棒で一気に完全破壊とまでは至らなかった。さらに、しばらくの間はハチの残党共がお家再興を目指して復興作業を続けに来るのだ。
もちろん、その間はこちらも同じ要領でハチの巣退治を繰り返すだけ。どちらが先に諦めるか、いうなればススメハチとの根競べだ。そんなこんなで、およそ1ヶ月後が経過したころ、しぶとかったスズメバチの残党共も、ついに一匹も寄り付かなくなったのであった。
再び「めでたしめでたし…」としたいところだが、こびり付いたハチの巣の残骸が、まるでボンドで固めたかのように張り付いている。これが、デッキブラシでゴシゴシしても一向にきれいにならないのだ。さらには、下のコンクリート面には落下したハチミツが汚く染みついている。
こうなることがわかっていれば、事前に古いブルーシートでも敷いておいたのだが、今さら悔やんでも後の祭り。素人さんは、いつだって失敗の後でしか気がつかないのだ。やっぱり、二度目くらいの経験値では「ド素人」から「ド」が取れた程度ということ…だネ。