鉄棒での大車輪については、とりあえず「まだ諦めてはいない」という結論だけにして、それ以上は触れないでおこう。とにかく夢や目標が多すぎて、すべてには手が回らないのだ。
それよりも、きれいになった畑地のその後の顛末…が未解決の問題として残っている。翌年の春になれば、大自然の力で「元の木阿弥」状態となってしまうのだ。それを身をもって学習した以上、同じことを繰り返すわけにはいかない。
とりあえずは、雑草の伸びるスピードに根負けしないよう、少しづつ本格的な畑と通路を造成することにした。つまり、草刈りをするスペースを徐々に減らそうという作戦だ。
とはいえ、すべては行き当たりばったりで無計画な作業。全体的なイメージのないまま、適当に畑を広げ、そこへ向かう通路を伸ばしていく。とにかく、ここでの目標は未来予想図に向かうことではなく、雑草との格闘時間を減らすことなのである。
こうして、アッという間に13年の月日が流れ、右往左往しながらも2016年となった。そして、ようやく辿り着いた入口のイメージが、平凡だけどアーチを構えるということだった。

アーチを設置すれば、当然のことながらバラの花を咲かせたい。もちろん、一朝一夕で育つものではないので、それなりに時間はかかる。そして、その間もボ−ッと待つわけはなく、常に前へ前へと進んでいかなければならないのだ。
通路には砕石が入って、一見すると雑草から解放されたようにも見えるが、これまた放置すれば落ち葉で汚れ、隙間からは容赦なく雑草が生えてくる。自然との闘いは、この程度の処置では一件落着とならないのだ。
そこで、思い切って主要な部分に大型ミキサー車1台分のコンクリートを流し込んでもらうことにした。こういう作業は、時間との勝負なので人海戦術で一気に仕上げなければならない。当然、依頼するのは専門の業者さん。お金もかかるのォ…フゥ〜ッ!
そうこうしているうちに、さらにまた数年の月日が流れ…バラも成長した。そして、こぼれ落ちそうなほどのバラの花が咲いたのであった。

ほぼイメージ通りのバラのアーチとなっている。ちなみに、この小さな黄色いバラの苗木は、お花屋さんとなった亀井クン(中三のときのクラスメイト)が、売れ残って「廃棄するのは忍びない」ということで持ってきてくれたものだ。
ということで、畑地への入口としては「これにてめでたくて完成」かというと、よく見ればアーチの足元の石が無造作で不安定。事実、何度も崩れ落ちているから何とかしなければならない。どんなことでも、やればやったで新たな問題点が出てくるものなのである。
さらにさらに、畑地へのメイン・エントランスとなれば、それなりの看板がほしいではないか…などと、誰に頼まれたわけでもないのに勝手にイメージが膨らむ。
こうなると、もはや当初の目的が何であったかなどスッカリ忘れてしまい、雑草とは何の関係もない看板に、貴重な時間と労力を注ぐことになったのであった。まるで走り出したら止まらない壊れた汽車みたい…だネ。
すべては単なるお遊びなのだが、これはこれで看板デザインやらネーミングなど…自分の頭で知恵とアイデアを絞り出さなければならないのだ。個人の敷地内なので自由度はあっても、どこかにオリジナル性がなければ面白くない。
そんなこんなで考え出したの、ドナルド・ダックに文字をかけた『ヒダカ・ガーデン』という英文字ダジャレのような名前。ウ〜ン…という疑問符も出そうだが、これを超える気の利いたネーミングが思い浮かばなかったのだ。

看板は木製で劣化しやすいので、いちおう塗料は三度塗りをしている。さらに、塗料の間にはニスを塗って耐久性を上げているのだが、長持ちするかどうかはあまり自信がない。というのは、これまでに作った木製看板も購入した木製ベンチも、数年で腐って全滅しているからだ。
マァ、バラの葉が雨除けとなるので少しはマシだろう。それに、先のことなんて心配してもどうしようもない。ダメになったら、そのときにまた考えればよいのだ。
そうそう、実はこのメイン・エントランス…夜になるとLEDがチカチカと点滅し、看板部分はライトアップされて妖しげに輝くのですヨ。まるで場末のナイトクラブみたい…。