この「ご挨拶」の日から19年近くの月日が流れ、新日本プログラミングもプログラミングとは無縁の存在となってしまっている。世の中において、この程度の変化は当然の流れなのだが、それでも変わらないことが1つだけあった。
そう…それは「夏になると汗をかかないともったいない!」と思うこと。走力の衰えもあり、必ずしも走ることには拘らないが、暑くなると無性に屋外で暴れたくなってしまうのだ。もしかすると体内にソーラー充電器が備わっているのかもしれない(←ウソ)。
本音は、その先にある≪シャワー+うたた寝タイム≫が大好きなだけ。毎回そういう機会に恵まれるわけではないけど、それにしても1日がアッという間に過ぎて行く。もうすぐご老人だヨ、まるで浦島太郎のよう…。
ということで、とりあえずお稲荷さんの外周を固めた(←厳密には未完成)ので、大きな紅葉の木から見えてきたイメージを具体化することにした。
その全体イメージとは、なんとディズニーの『不思議の国のアリス』の世界。ヒラヒラと蝶が舞うお花畑の小道を、忙しそうにウサギさんが走るという始まりのシーンだ。
紅葉の祠(ほこら)にある洞窟の入口は、それらしく粘土でこしらえたもの。そして、アリスの世界とは関係ないが、私の化身役でヒマそうに寝ている小人さんがいる。
なぜに化身かというと、そよ風の中でハンモックに揺られながら、ノンビリといねむりをして過ごしたいという願望を表しているからだ。トレーニングへの情熱の裏側にある、いうなれば心の奥底の深層心理というやつだネ。
ちなみに、この工作物の中に主役のアリスはいない。それは、この祠(ほこら)の光景に気づいた人全員の心の中にあるという設定だ。
つまり、アリスの気分になれる人もいれば、そうでない人もいるということ。願わくば、いつの日か孫に「アッ!」とうれしそうに発見してもらいたい…のだが、コロナの影響でなかなかその日が来ないのが空しい。
紅葉の木の横には、これまた『不思議の国のアリス』の名物キャラ・チェシャ猫がいる。暗闇の中で、理解不能な動きをするワケのわからないネコ…だ。
これは、丸い石にそれらしくペイントし、廃物の排水用土管を台にして置いてあるだけだが、注意深く見ないと見逃してしまうかもしれない。そういったことも含めて、興味のある人にしか伝わらない世界となっているのだ。
そして、肝心のお稲荷さんはどうなったかというと、伏見稲荷などの著名な神社に合わせてカラフルに変身させてみた。これが、なぜかアリスの世界と微妙にマッチしている。
すなわち、アリスが最後に行き着くのは、ハートの女王のいるお城。これをお稲荷さんに見立てれば、必然的に夢から覚めるドアがあり、ドアには言葉をしゃべるドアノブがいる。物語的にも、最終場面に実にふさわしい構成となるのだ。
もともと、このお稲荷さんは「空稲荷」だそうで、いうなればアチコチ旅する「おキツネさんの休憩所」という存在だった。だからこそ、こんな遊び心が許される(←かどうかは定かでない)と解釈できるのだ。
さすがに本体が祀られていたら、ここまで冒険する勇気はない。いくら信仰心はないとはいえ、基本的に不謹慎なことはしたくはないからネ。
ちなみに、お賽銭として置いてあるのは本物の寛永通宝。このあたりに、いちおう先祖代々の香りも忍ばせながら、見えてしまった物語を無事に完結させたつもりなのである。