時は流れ、新たにスタートした「パ界伝承」はすでに「更新予定のない企画」となっている。あえて振り返ることもない…となれば、ここは例の土手にまつわる近況報告のほうがふさわしい。
そんな「こじつけ」のような理由で、話題とするのは土手の南端にある紅葉の木。正確な樹齢は不明だが、少なくとも江戸時代から存在していることだけは間違いない。
というのは、紅葉の根元には大きな祠(ほこら)があり、通りがかりの人の話によればこれは一朝一夕にできるものではないという。実際、幼少時代の記憶(65年以上前)でも、すでに現状と同じ状態で存在していたからだ。
さらに、紅葉の木の手前には、これまた古くからのお稲荷さんがあった…はずなのだが、引き継いだときには雑草ジャングルに埋もれて近づくことすらできなかった。当然の手順として、まずは敷地内の草刈りから地道にスタートをした。
こうして眼前に姿を現したお稲荷さん。セメント仕上げとなっているので、おそらくは明治以降に木製のものを腐らないように再築したのだろう。
周囲を囲っていたはずの柵も、かろうじてフロント部分が残っているだけ。それでも、この時点では記憶と同じ位置にお稲荷さんが存在していることを確認できただけで、単純に「メデタシ・メデタシ」の気分だった。
とはいえ、この残った囲いが朽ちて倒れるのは時間の問題。このまま放置しておくわけにはいかない…とわかっていても、どこまで手を加えればよいのか見当がつかない。
何しろ、ここまで手鎌で雑草を刈るのに数ヶ月を費やしているのだ、しかも、この地で寝泊りができるようになったのは、それから10年以上先の話である。どうしよう…。。。