〜〜〜〜 ちょっと一言ご挨拶(2020.11.12)〜〜〜〜
ゲームを日本語に訳すと、遊び(遊戯)とか競技、試合、勝負…となるようだが、あまりにも定義が広範囲で混乱してしまう。ビデオゲームとスポーツを同類に扱うだけでも違和感があるのに、ビジネスや人生までもがゲームの範疇に入れられたりすると、逆に「ゲームじゃないものって何?」と問いただしたくなる。
個人的には、ゲームというのは「やり直しがきくもの」という認識なんだけどネ。要するに、負けたり死んだりしても「再チャレンジできる」のがゲームで、二度目のない一発勝負の試合はゲームと呼ぶべきではない…と考えている。
とはいえ、そこに時間の要素を加えるとすべての舞台は別のものになる。全く同じ舞台がないということは、この世にゲームが存在しないという話になってしまう…。ややこしいから、不毛なテーマにはこれ以上触れないでおこう。
そんなことより怪しげな洞窟の先はどうなっているのだろうか。アリスが入った洞窟を進むと、こんな出口へとつながっているのだった。
恐る恐る光るツリーと光るスライムの脇をすり抜けると、年齢不詳のおかしな双子が行く先を邪魔するように立っている。洞窟を抜け出すのにも勇気がいるのだ。
どうやら双子たちは悪さはしないようだ。軽く挨拶とおしゃべりをすれば、前にある白い扉へと小道は続く。その先に待っているのは、私の好きな世界…。
よく「病気になって健康の有難さを知る」というけど、平凡な当たり前の日々こそが最大の幸せなんだよネ…ということを、子供のころにメーテルリンク作の『青い鳥』で学んだ。そう、病気で迎える誕生日より、何事もなく生きている今日のほうが数倍めでたいッ!
…ということを、堂々と前面に打ち出してお祝いをするマッドハッターたち。最初は単なる「おふざけシーン」としか思わなかったが、ある日突然気がついた。これは人生への教訓なんだと…。
こうして楽しくお祝いをしていると、時間はアッという間に過ぎて行く。そういえば、昔は1年がとても長く感じられたけど、こんな幸福感に気づいてからはやけに短く感じる。どうりで、頭の中が年齢に追いついていけないわけだ。
実は、これはこれで重要な相反する教訓を含んでいる。それを気づかせる物語が『浦島太郎』というわけ。毎日をめでたいとばかりにお祝いをしているとどうなるか、玉手箱を開ける前に「人生の長さを意識しなさい」と語っているのだ。
そんなわけで、楽しい時間を満喫したら再び夢を求めて旅に出なければならない。いつまでも紅茶を注ぐマッドハッターの横には…ホラ、不思議な世界へと続く森への入口があるヨ。
深い森の奥では、ティンカーベルが周囲を明るく照らしながらこっちを向いている。賢いアリスは、この先にはどんな世界があるんだろうと、浦島太郎になる前にお祝いの席を立ったのであった。
ここで小休止。メインテーマは『不思議の国のアリス』だが、これを設置したのは栃木県の那須烏山市という田舎にある実家の玄関。かつては烏山城というお城があり、わがご先祖様もここからお城へ通う武士だったという。
残念ながら明治初期に火事で消失し、現在では石垣が名残りとして僅かに残っているだけ。絵図によると、いわゆる天守閣のあるお城ではなく二条城的な平屋のお城なのだが、やっぱりお城といえば天守閣がほしいよネ。
ということで、美しいお城として知られる彦根城(プラモデル)を拝借し、新烏山城としてジオラマの中に組み入れてある。石垣はサイズ感の合う小石を購入し、1つずつ石組みをして立体感が出るように考慮した。そんな烏山城が邪悪なモンスターに乗っ取られ、時空を超えてアリスの世界にも迷い込んだという設定だ。
全幅60センチほどのジオラマの中に、こんなにもゴチャゴチャしたテーマを詰め込んだので、不自然といえば不自然なんだけど、きっと私の脳内もそんなものなのだろう。…で。アリスはどこへ?
実は、アリスの入っていった不思議の森は、この烏山城の地下…というより別世界へと続いているのである。それは、いったいどんな光景なのだろう? 想像できるかなァ?