■ ご挨拶:第9回(1998年12月9日)■

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 本日のご来場、まことにありがとうございます。お陰さまをもちまして『おたすけ忍風伝』も無事に発売することができました。
 すでに、多くの忍者たちが栄光の仙人位を目指して日夜奮闘しているという状況…のはずだったのですが、現在のところはチョッピリ淋しい船出なのであります。アァ…。
 どうやら、インターネットだけに頼るのは無理があったようです。となれば、まずは店頭売りをも視野に入れて知名度アップを図らなければなりません。店頭売りといっても、いわゆる流通を通したショップ売りのことではなく、同人ソフトというマイナーな世界が順当なところでしょう。しかし、これまた異質な分野ですから、順風満帆とはいきそうにありません。そんなこんなで、相変わらず忙しさばかりが先行している毎日です。
 ゲーム制作という知的な創作活動は、最も新しいワールドワイドな自己表現の手段です。この楽しさを広く世間に認知されるよう新日本プログラミングはソフトハウスの枠に縛られずに孤軍奮闘しています。どうぞ、最新作『おたすけ忍風伝』を通じて、みな様の応援を切にお願い申し上げる次第です。


〜〜〜〜 ちょっと一言ご挨拶(2010.7.17)〜〜〜〜

 挨拶文については面白くないのでノー・コメント。それより、当時の最新情報が意外に興味深かったので掲載してみることにした。

 とりあえず、作品としての『おたすけ忍風伝』が完成した以上、それを販売しなければならない。つまり、当分の間は営業活動がメインの仕事というわけだ。
 当初の方針では、インターネットによる通販だけを考えていたが、営業というからには直販の努力が不可欠。というわけで、とある日曜日に秋葉原で路上セールをやってみた。もちろん、寅さんみたいに威勢のいい口上はない。ただ、ダンボール箱にソフトを入れて、小さなイスに座っていただけなのだが、人の行動心理がよく見えて結構面白かった。
 ちょっぴり失敗だったのは、通販用のシンプルなCDジャケットだったため、内容がよくわからなかったということ。これは、路上とはいえ店頭用の商品という意識に欠けていたといえる。しかし、この怪しげな路上セールにも、ある反応が即座にあった。時間にして、箱を広げてからおよそ10分くらいだろうか。
 一人の小柄な男性が、しゃがみ込んでソフトをジッと見ている。そして、おもむろにソフトを手に取り、しげしげと見つめてから内容を聞いてきた。口に挟んだツマヨウジと、威圧するような視線が、客としての質問でないことを裏付ける…。
 もちろん、相手の真意が読めないわけじゃないが、質問には「ウィンドウズ用のゲームソフトですよ」と明るく答えるしかない。だが、これは当然のことながら挨拶であって本題ではないのだ。一呼吸おいて、ソフトを放るように無造作に元に戻した。
「あのナ、ここはオレたちのシマで…」

===== 次回に続く =====

 へへヘ…。ごめんネ。こんなところでオシマイにしてしまって。だって、こうでもしないと最新情報のネタが続かないのだヨ。マ、それ以上にドラマチックな展開が実際にあったのだから、次の更新をお楽しみに…ネ!

 すでに記憶の片隅から消えかかっていたことなので、ついつい続きを読んでしまったほど。過去というのは、自分のことでも他人事のように読めるから面白いッ!