◆前書き

 これは『燃える闘魂マシン語伝説U』の後記として書いたものからの抜粋である。内容的には、その時点で過去の思い出話であったわけだから、ダブルの思い出話ということになる。正確には1984年ころの実体験がベースになっているのだが、大変貌を遂げた企業や波乱万丈の企業が平然と登場してくるところが改めて興味深い。
 そこで、そういった業界の話題にも触れながらこの小さな伝説を展開していきたいと思うのだ。基本的には、当時ならではのプログラミング言語(マシン語)を覚えて作品を開発しても、それだけでは商品とはならない……という時代を問わない商売の真理に対し、筆者がいかにして作品を商品として流通させたか、さらにはプログラミング関係の著書を出すに至ったか、そのあたりの営業方針をテーマにプラス・アルファのノウハウを公開しようというのである。
 なんだかビジネスマン向けの講演みたいだが、要は「どのようにしてゲーム業界/出版業界と関係を築いたか」をソフトにまとめたもの。期待して読むとガッカリするが、期待しなければそれなりに得した気分になれる……かもしれないという内容だ。

 どんなことでも、憧れだけでは夢は実現しない。夢を現実のものとするためには、それを目標として行動を起こさなければならないのだ。もちろん、それは神社にお参りしたり神棚を拝むことではない。そんなことで夢が叶うならこの世に努力は要らない。
 まずは自分自身の実力を高めること。これが必要最低限の行動だ。さらに大切なのは、その実力を外にアピールして認めてもらうこと。世界的な発明をしたって、誰にも知られなければ何も発明していないのと同じことなのだ。そのための行動……それが営業である。