■旧機種用の通販品を大幅値上げした理由は?

ドキッ! やっぱり、気づかれてしまいましたか……といっても、気づく方がいるということは、少なからず注目されていることの裏返し。これは、いうなれば旧機種が示した現役のパワーといえるかもしれない。

しかし、現時点における旧機種の利用価値……ということになると、よほど特殊な事情でもない限り、否定的な見方をせざるを得ない。パソコンを陸の孤島として、他機種との連携を取らないのであれば別だが、普通はそういう使い方をしないはず。だから、たとえ動作面での問題が皆無でも、Windows以前の機種には孤独感が漂う。もちろん、新日プロの通販品にはマシン語の習得という基本ラインがあるので、孤独の中にも確固たるポリシーは存在している。

そこで問題となるのは、その絶対数。注文が殺到するようなら在庫品を常備することも可能だが、忘れたころにポツリポツリでは受注生産しかできない。特に、2Dディスクに関してはヤリクリさえも難しい状況にあり、在庫を持つことなど無理な話。さらには、普段は使うことのなくなってしまった88や旧98を、受注生産のためだけにデスクに置いておくわけにもいかず、その都度ゴソゴソと引っ張り出しては動かしているのが実情なのだ。だったら、いっそのこと「止めてしまう!」という道もないわけではないが、やっぱり「何とかして!」という声が一人でもあるうちは「何とかしたい!」ではないか……。

そんなわけで、これはダンボール箱を取り出して準備をして……という手間賃込みの価格と解釈してもらいたい。もっとも、かつて市販されていた他のアセンブラと比べたら、これでも群を抜いて安いっ! それ以上に、このWindows全盛(←イヤすでに陰りすら見えつつあるかも?)時代に、レトロな88のアセンブラが現存していること自体が驚異的なことではないか。いったい、いつまで生き長らえることができるのか、価格云々よりも存在そのものが奇跡に近いのである。