■『マカイ・クエスト』はどうなったの?

イヤァ、まだ『マカイ・クエスト』を覚えている人がいるとは驚いた……というよりも、うれしくなってしまうではないか。だって、最後に『マカイ・クエスト』について情報をリークしたのは、およそ5年も前のことだヨ。もはや、完全に忘却のかなたへ葬り去られてしまったと思っていたし、こちらもスッカリ忘れていた。

こう書いても、知らない人には何のことやら、さっぱりわからないに違いない。この『マカイ・クエスト』とは、マシン語の世界をRPG風のマンガにした、とっても面白くてタメになる本……となる予定だったのだ。企画としては、休刊(←事実上の廃刊)となった『PCマガジン』誌に連載した「燃える闘魂シリーズ」をベースに、愛と感動のドラマが展開されるという内容で、あの黒澤画伯のギャグがタップリと入っていた。

ところが、原作ができてからもマンガ化のほうが遅々として進まず、ようやくラフ画が完成したのが4〜5年前かなァ。企画開始から5年の月日が流れていた。すでに母体のPマガは休刊となり、さらにはマシン語が下火になってしまったせいか、どの出版社からもゴーサインが出ない。もはや出版のタイミングを完全に逸してしまったのだ。

とりあえず、個人的にはラフ画とはいえ最初から最後まで完結したものを見たので、不満の中にも達成感はある……けど、やっぱり単行本の形で読みたかった。チビドラのビットやモニタ、壮絶なドラゴンとのバトル、それに黒澤画伯得意のお色気シーン……など、思い出すだけでも面白いんだもン。

もっとも、多忙な黒澤画伯は「たとえラフ画は完成しても、仕上げとなるといつになるかわからない」と平然としていたから、仮に出版社がOKを出してもどうなっていたことやら。というわけで、結局はウヤムヤのまま終わってしまったというのが真相である。一時的にせよ期待されていた方、本当にごめんなさい。原画が残っていて、見たいという要望が殺到するようであれば、いつかCDで出したい気もするけど……ウ〜ム、無理でしょうネ!