…… 永遠不滅のCPU ……

Z80 教室

 いわゆるパソコンだけに焦点を当てれば、Z80というCPUは過去の遺物にすぎない。いや、この8ビットCPUが実際に使われていたという事実さえ、すでに多くのパソコンユーザーにとっては知り得ない埋もれた歴史であろう。当然、今さら懐古趣味でZ80をパソコンに復活させようなどというつもりもない。

 では、なぜZ80教室をオープンさせたかというと、Z80という手頃で安価なCPUを必要とする場が、無限に残されているからだ。
 家電製品や事務機器などの比較的単純なコントロールに、わざわざ最新のCPUを使うのは無駄……というより無用というもの。細い路地をテレテレ走るだけなら、高速のスポーツカーより軽自動車のほうが小回りが効いて便利なのと同じことだ。
 だから、時代が進んでもZ80の需要がなくなることはない。それどころか、排熱対策が不可欠のPentiumシリーズなどより、未来への展望ははるかに明るいといえよう。事実、Z80は人知れずいろいろな分野で活躍しているのである。
 しかし、パソコン用として使われなくなった現代では、かつてのようにZ80に接する機会は皆無に等しい。また、パソコンというメジャーな用途を失ったことで、関連する書籍が書店から消えたのは、ごく自然の成り行き。かくして、Z80を操作する上での需要と供給のバランスが崩れつつある……。

 こんな現状を、少しでも打破して社会に貢献しようと、新日本プログラミングが立ち上がったのだ。
 ところが、非常に遠大かつ気まぐれな計画であったため、序章的な部分に手間取ってしまい、なかなか本題へ入れないでいた。そこで、導入部分は『パカイ・クエスト』に任務を譲り、ここではアセンブラを用いることを前提に進行することにした。
 実際には、アセンブラによる機能・文法の違いや、拙著『Z80マシン語秘伝の書』との差別化……など、いくつかの悩みのタネがないわけではないが、そのあたりは適当に読み流してもらいたい。
 なお、こういった事情からこれまでの内容はすべて破棄し、アセンブラ(標準モデル=ROOT88シリーズ)を使っての教室として、ゼロからのスタートとなる。新日本プログラミングが贈る、この終わりなきテーマに対し、どうぞ暖かい目で見守ってください。

1

ラベル定義の応用

2

OPコード秘話

3

未定義命令への第一歩

4

機械語⇔ニーモニック対応表(その1)

5

機械語⇔ニーモニック対応表(その2)

6

機械語⇔ニーモニック対応表(その3)

7

ニーモニック⇔機械語対照表(その1)

8

ニーモニック⇔機械語対照表(その2)

9

ニーモニック⇔機械語対照表(その3)